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●学年クラスの近況【昭和39年度卒業】
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2022年12月17日 掲載
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わたしのイチバン(昭和39年度卒業 沖山 隆朝)
機首を少し八丈富士側へ向け翼を上下に揺らしながら飛行機は26滑走路へ滑り込む。降り立つと湿った風もやさしく迎え、「ああ、島へ帰った!」と実感する。
「四苦八苦」の言葉が示すように誰の人生にも壁がある。
私は昭和45年(1970) 上京し、以来東京で暮らしてきたが、やはり様々な壁を経験した。
そのような時、八丈富士を仰ぐと父のように、海に向かうと母のように、時には優しく、時には厳しく八丈島は私を励ましてくれた。
そんな八丈島の私のイチバンは、横間洞門からの落日である。一筋の光の道が、真っ直ぐに太陽に繋がり、まるで未来へと導いてくれるかのようで勇気づけられる。
室生犀星は、「ふるさとは遠きにありて思ふもの」と謳ったが、私の八丈島は「ふるさとは遠きにありて“ も” 思うもの」である。
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